メジャーリーグ挑戦が後を絶たないのはなぜか

ピッチャー

1990年代半ばから、日本のプロ野球で秀でた成績をおさめた選手がアメリカのメジャーリーグに挑戦するケースが後を絶ちません。プロ野球での成功者がメジャーリーグでも成功するとは限らないことは過去に海外移籍した選手の成績が証明しており、投手には数年にわたってレギュラークラスで活躍した選手が多い一方で、野手でシーズンを通じてレギュラーとして活躍できたのは数えるほどしかいません。

メジャーリーグに挑む日本のプロ野球選手が続出する理由の一つは、受け取ることができるサラリーの多さです。日本のプロ野球選手の最高年俸は5億円程度ですが、メジャーリーグだとこの金額は平均よりやや高い程度にとどまります。近年サラリーの高騰がすすんでいるメジャーリーグでは、成功をおさめると10億円を大きく超える年俸を得られる可能性があり、実際に日本人選手の中にも10億円を上回る年俸を提示された選手が数名います。長くプレーした選手に対して引退後に支払われる年金についてもメジャーリーグの方がはるかに高額で、成功をおさめればその後の生活がほぼ生涯にわたって保証される仕組みになっています。

また、メジャーリーグの一流選手と対戦してみたいというスポーツ選手ならではの欲求も海外移籍をする大きな動機となっていることが多いです。メジャーリーグには日本の選手とはタイプが異なる選手がたくさんプレーしており、それだけでも大きな刺激となるからです。このような欲求を持つようになる時期は選手ごとに様々ですが、近年は最初からメジャーリーグでプレーすることを目標に日本のプロ野球界に入る選手もおり、プロ野球関係者や記者、評論家などの中にはこの傾向が進むと空洞化を招くと危惧している人が少なくありません。